6190声 「場所」とは何か

2025年05月19日

「場所」という言葉について、という話題が先の富山旅の最中に上がった。それは具体的な「場所」もあれば目に見えない精神的な「場所」もあるだろうが、一つの理解の仕方として「何かと何かが出会うところにできるのが場所」ということを太田住職は仰った。これまで「場所」という言葉を使うときに「ある一定の広さのあるところ」くらいにしか考えていなかった私は広さを伴うならばその面積は文字通り大きくなければならないと思いがちだった。ところが「何かと何かが出会うところ」という考え方に沿えば、例えばご飯におかずが並ぶだけで「場所」になる。料理に酒が添えられても「場所」だろう。そう思ってはたと気づく。そうか、自分は場所に、つまりそれは複数からなる空間であることに興味があって、そしてその構成員の役割に興味があったのかと。料理などなくとも単体でおいしい酒に魅力があるのは分かる。しかし何かと合わさってよくなる酒というものにはるかに惹かれてきた。燗酒がそうだしナチュラルワインがそうだしシンキチのビールもずっとそのことを意識している。つまり場所の構成員たるための要素、もっと言えば場所の中でどんな役割、立ち回りをしているかに興味があるのかもしれない。「場所」という言葉を通して自分に気づく瞬間であった。今日はその富山旅でご一緒したお客様のご来店。旅を共にしたから余計にわかるそれぞれの役割。