この年末は、4年ぶりくらいに築地場外市場へ行った。10年前くらいには月に2度場内市場へ通い魚の仕入れの真似事をしていた。業者の仕入れの基本は豊洲へ移ったが、今も多分一般の人が買い物をするのは築地場外がしやすいのではないかと思う。
何年か来ない間に場外市場は様変わりしていた。簡単にいうと、インバウンド客などを目当てにした軽食、高級海鮮丼などの店が増えた。そして実際、外国人が多い。年末だから僕のようなお正月の品の買い出しの人も多くて、まさに人の大洪水。これを見ただけでも年末感は十分。そうした洪水の奥では、店構えも変わらない乾物屋や漬物屋などが今もしっかりと商いを続けていた。
仕入れの時はいつもと言って良いほど通っていた、場内市場にあった鯵フライやとんかつの名店「豊ちゃん」も市場ごとまるっとないので、駐車場に入るまでの渋滞の中で検索しておいた「築地本種(もとだね)」を初訪問。インバウンド客では見つけられないような路地裏にあって、開店してわりとすぐの時間に行ったが人が列をなしていた。常連客的な顔ぶれが多いので、食べる前から安心できる。実際、食べた丸ちらしは1,400円と安価ながらすべてのネタに生のねとっとした旨みがあり、非常に美味しかった。
年末ならではの光景も。常連と思われる客が「大将も飲んでよ」と言い、カウンターの大将のコップに瓶ビールを注ぐ。「いただきます」と言って大将はひと飲み。そしてすぐに仕事に戻る。また、戸が開いて女性が「混んでるからまた空いた時に来るね、今年もありがとう」と声だけかけてすぐに去っていく。良い店だなぁと思った。長年お世話になっていた「山治」を中心にものを買い揃え、ほくほくした顔で築地を出た。

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