若い時は、自分が散歩をする人になるとは思っていなかった。わずかだがジョギングをしていた頃はあった。いや歩くって、朝歩くって、なんでわざわざそんなことをするおじさんおばさんがいるのか、若い時は理解ができなかった。
今、散歩が大好きである。今のような寒さで凍みる時も、近所程度だが歩く。同じ朝がない。朝日に照らされて田んぼの霜がきらきら光る日もあるし、川辺の枯れた紫陽花が風に揺れる日もある。もしかしたら、自然はそれほど変わっていないのかもしれない。が、そこを歩く自分が昨日とは違う気がする。
散歩を終えてしまえば、いつも通りの仕事が待っている。僕は方々に撮影に出ることが多いので人に比べれば変化がある仕事かもしれないが、一日中パソコンで作業している日も多い。あっという間一日が終わる。そしてまた翌日、散歩に出る。
ここまで書いてみて、これが「ただおじさんになること」なのだと思った。今日、母親が近くのガソリンスタンドに灯油を買いに行って「おたくの息子さん、よく散歩してますね」と言われたらしい。悪い気はしない。

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