若い時は何度目にしてもただ無視していたのに、今くらいの年になると足を止めてしまうものがある。道祖神など、道端の石像だ。
見たら見たで感動もできるが、お寺まで行って仏像を見たい、までの気持ちはない。でも有名ではない道端の石像に、何か惹かれる。全部に、というものではない。素通りする像もある。
足を止めてしまう石像の中には、ごく僅かに「酒が飲める像」も存在する。それを見ながら、酒が飲めるということである。例えば、高山村のいぶきの湯を出て、国道方面、やや南に進んだ場所にある墓地にある石仏の1つ、それが酒が飲める像である(具体的な場所までは示さないが、物好きな方がこれを読んでそれを探し当ててくれたら嬉しい)。庚申塔と書かれた石碑の左隣。その左腕は破壊されたのか何なのか失われている。右膝を立て、そこに右肘をついて頬を支えている。何がそこまで良いのか、はうまく言葉にできないが、わりとずっと見ていられる。そこに酒(日本酒が良いね)を持ち込んで飲んだことは、ない。
そういう話でいくと、昔姉の付き添いで行った吉岡町あたりの病院の、入口前にあった裸婦の石像も良かった。これは説明ができる。その裸のフォルムがとても好みだった。芸術の話ではない。すけべな話である。あれはきっと、ワインが合う。

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