225声 旅はおぼろげ世は情け 第三日目

2008年08月12日

正午過ぎ、盛夏の濃い陽射しが照り付ける、郡上市街より送る本日のひとこえ。

間口の狭い趣きある日本家屋が寿司詰られた小道、水路に清流が走る路地。
路地裏を颯爽と抜けて行くのは、黄色のヘルメットで自転車に乗った、地元の子供たち。
カゴに浮輪、水中眼鏡を頭に向かう先は、『学校橋』。
橋の袂には、川遊びに興じている沢山の若者たち。

すると一人の少年。
橋の欄干より、川へ向かってダイブ。
有名な、郡上八幡における夏の風物詩である。
蝉時雨が一瞬途絶え、息を飲む野次馬、川岸で見守る少女たち。
瞬間、張りつめた空気を裂くのは、入水の音と豪快な水しぶき。
少年が水面に浮かび上がってきて、一笑して水を掻く。
そしてまた、スイッチを入れた様に降る蝉時雨。

夕陽が差し込む長良川鉄道の1両しかない車内より
まだ、少年たちのダイブの光景が瞼の裏に焼き付いている模様。
そして、水田と住宅が混在する、どこか群馬を彷彿とさせる車窓の野趣風景を眺めつつ。

→その後。
岐阜市街、三軒目は往来にテーブルを出している全体的に雑多な店にて。
テキパキと威勢の良い店員と、地元客の関西弁「めっちゃうまそやん」を新鮮に感じつつ、生をもう一杯。