288声 上等な思い出だし笑い

2008年10月14日

いやはや、混んでた。
先の連休、横浜オクトーバーフェストの翌日行ったのが、寄席。
場所は、上野鈴本演芸場。
近年、にわかに落語ブームとやらで、都内四つ、どの寄席も、
土日祝日は立ち見が出る程の盛況ぶり。

念を入れて開場一時間前に行ったのだが、もう列。
並んで、待つ事半刻。
私を長蛇の、ちょうど腹あたりにして、後ろへズラリ。
開場し、どうにか、良い席が取れ、ひと安心。
会場で、若干割高価格の缶麦酒と、
神田志乃多寿司の海苔巻詰め合わせを買って、ひと息。
やはり、若い人もチラホラ見受けられる。

さて、高座。
前座は春風亭ぽっぽ。
「ちゃん」を付けたい位の、佇まいと声色。
家帰って、ちょっと見たら、私と同年代。

ひとしきり笑って、幕引き。
鈴本から、アメ横。
そぞろ歩いて、夕方。

飲み屋のカウンター。
少し見栄張って頼んだ、かんぱちの刺身を突きながら、麦酒をチビリ。
虚ろに、壁に貼ってある、黄ばんだメニュー札を眺めながる。
ふと、思い出し笑い。
あした順子・ひろしの漫才。
若手から名人まで、芸が煌く落語。
それらが、徐々に回り始めた酔いと共に、脳内を回遊。
ゆるやかに、自然と、表情が和らぐ。

すると、カウンターの斜向かい。
徳利を片手に、ニヤついてる赤ら顔のおっさんと、瞬間、目が合う。
慌てて、真顔を装う。
しかし、私の胸中より、おっさんに投げ打つ、言葉。
「俺のは上等な思い出し笑いだかんな」
瓶麦酒、もう一本。