いやはや、混んでた。
先の連休、横浜オクトーバーフェストの翌日行ったのが、寄席。
場所は、上野鈴本演芸場。
近年、にわかに落語ブームとやらで、都内四つ、どの寄席も、
土日祝日は立ち見が出る程の盛況ぶり。
念を入れて開場一時間前に行ったのだが、もう列。
並んで、待つ事半刻。
私を長蛇の、ちょうど腹あたりにして、後ろへズラリ。
開場し、どうにか、良い席が取れ、ひと安心。
会場で、若干割高価格の缶麦酒と、
神田志乃多寿司の海苔巻詰め合わせを買って、ひと息。
やはり、若い人もチラホラ見受けられる。
さて、高座。
前座は春風亭ぽっぽ。
「ちゃん」を付けたい位の、佇まいと声色。
家帰って、ちょっと見たら、私と同年代。
ひとしきり笑って、幕引き。
鈴本から、アメ横。
そぞろ歩いて、夕方。
飲み屋のカウンター。
少し見栄張って頼んだ、かんぱちの刺身を突きながら、麦酒をチビリ。
虚ろに、壁に貼ってある、黄ばんだメニュー札を眺めながる。
ふと、思い出し笑い。
あした順子・ひろしの漫才。
若手から名人まで、芸が煌く落語。
それらが、徐々に回り始めた酔いと共に、脳内を回遊。
ゆるやかに、自然と、表情が和らぐ。
すると、カウンターの斜向かい。
徳利を片手に、ニヤついてる赤ら顔のおっさんと、瞬間、目が合う。
慌てて、真顔を装う。
しかし、私の胸中より、おっさんに投げ打つ、言葉。
「俺のは上等な思い出し笑いだかんな」
瓶麦酒、もう一本。