292声 東湯訪問記

2008年10月18日

前橋市大胡町の銭湯「東湯」に、本日訪問。
ご主人の小川さんに色々と話を伺うと、なんと創業は昭和2年12月5日。 
今年で81年目なのである。
ちなみに、昭和2年は1927年。
芥川龍之介が、没した年でもある。

昭和61年に発行された、組合の貴重な資料を拝見させてもらった。
やはり平成になってから、年々、県内銭湯は姿を消して行ってる。
「県内の銭湯を、全部回ろうと思ってるんです」
と私が言うと、小川さん。
「じゃあ、これ」
って、くれた冊子。
群馬県公衆浴場業環境衛生同業組合と言う、
恐ろしく長い名前の組合が、10数年前に発行した、
「上州いきいき湯ったり銭湯マップ」。

マップを見ると、この10年の間に、
いかに多くの銭湯が暖簾を閉まったかが、明白である。
そして、向こう10年の銭湯残存数が、思いやられる。

井戸水を沸かした、やわらかい泉質のお湯をもらって、一息。
親切な小川さんにお礼を言って、東湯を後にした。
帰り際に見せてくれた、組合の総会の詳細が記載された冊子。
チラッと見たら、総会の開催場所。
「水上温泉」
銭湯経営者たちも、温泉で一杯。
その光景。
噺のサゲに、唐突に出会った様であった。