338声 地鶏インフル旅行

2008年12月03日

徐々に風邪が流行って来ている、巷。
早めの予防接種を促す声を、各メディアで耳にする。

しかし、今年の風邪はちと厄介な様子。
なんでも、鳥インフルエンザウイルスが変異した、
新型インフルエンザが発生するんじゃねぇか、ってな話。

なぜ厄介かと言うと、新型なので、まだ誰もかかった事がない。
つまりは、人類が経験した事のない、新しいウイルス。
だから、予防接種でワクチンを打っても、それが効くかどうか分からない。
おまけに、その前兆である鳥インフルエンザから見ても、感染率が非常に強いと予測される。
まぁ、史上最悪に性質の悪い、流行性感冒なのである。

鳥インフルエンザで思い出すのが、2004年。
京都府丹波町の養鶏場で、鶏13万羽超が死亡して、周囲にも被害が拡大した事件。
丁度私、その事件発生当時、京都旅行中だった。
おまけに、宿が丹波町からそう離れてない所。

事件が報道された日から、京都の地鶏料理の店や、焼き鳥屋なんかは閑古鳥。
暖簾くぐってもガラガラで、ましてや店で鳥料理を注文する人は、当然皆無。
だけれど、京都のその地方ったら、やっぱり地鶏が有名だし美味い。
ってな事で、構わず、むしろ空いてて良いやって、
地鶏から揚げやら、地鶏焼き鳥、地鶏のさしみなんかで、毎日一杯やっていた。
宿の近くには、産み立て卵の自動販売機なんて物あって、珍しさから、
毎朝買って、ゆで卵にして食っていた。

そんな地鶏三昧も、群馬に帰る日がやって来た。
京都駅から、帰りの東京行きの新幹線。
席に座って、景色を眺めながら、冷汗。
その日朝から、どうも体調が芳しくない。
熱っぽい、と言うか、完全に発熱による悪寒。
一気に蘇る、向こう見ずに振る舞っていた、京都の夜。
心の中で唱える、「南無三」。

上越新幹線に乗り換えた時は、もう意識も遠のき、息も絶え絶え。
半べそかいて、「鳥なんか食わなきゃよかった」と、うわ言の様にブツブツ。
「鳥インフルエンザを群馬に持って来て良ものだろうか、いや、良い訳きゃない」
と、煩悶自戒が熱に浮かされた脳みそをグルグル。

駅に着いて、タクシーで帰宅。
数日寝込んだ後、回復。