徐々に風邪が流行って来ている、巷。
早めの予防接種を促す声を、各メディアで耳にする。
しかし、今年の風邪はちと厄介な様子。
なんでも、鳥インフルエンザウイルスが変異した、
新型インフルエンザが発生するんじゃねぇか、ってな話。
なぜ厄介かと言うと、新型なので、まだ誰もかかった事がない。
つまりは、人類が経験した事のない、新しいウイルス。
だから、予防接種でワクチンを打っても、それが効くかどうか分からない。
おまけに、その前兆である鳥インフルエンザから見ても、感染率が非常に強いと予測される。
まぁ、史上最悪に性質の悪い、流行性感冒なのである。
鳥インフルエンザで思い出すのが、2004年。
京都府丹波町の養鶏場で、鶏13万羽超が死亡して、周囲にも被害が拡大した事件。
丁度私、その事件発生当時、京都旅行中だった。
おまけに、宿が丹波町からそう離れてない所。
事件が報道された日から、京都の地鶏料理の店や、焼き鳥屋なんかは閑古鳥。
暖簾くぐってもガラガラで、ましてや店で鳥料理を注文する人は、当然皆無。
だけれど、京都のその地方ったら、やっぱり地鶏が有名だし美味い。
ってな事で、構わず、むしろ空いてて良いやって、
地鶏から揚げやら、地鶏焼き鳥、地鶏のさしみなんかで、毎日一杯やっていた。
宿の近くには、産み立て卵の自動販売機なんて物あって、珍しさから、
毎朝買って、ゆで卵にして食っていた。
そんな地鶏三昧も、群馬に帰る日がやって来た。
京都駅から、帰りの東京行きの新幹線。
席に座って、景色を眺めながら、冷汗。
その日朝から、どうも体調が芳しくない。
熱っぽい、と言うか、完全に発熱による悪寒。
一気に蘇る、向こう見ずに振る舞っていた、京都の夜。
心の中で唱える、「南無三」。
上越新幹線に乗り換えた時は、もう意識も遠のき、息も絶え絶え。
半べそかいて、「鳥なんか食わなきゃよかった」と、うわ言の様にブツブツ。
「鳥インフルエンザを群馬に持って来て良ものだろうか、いや、良い訳きゃない」
と、煩悶自戒が熱に浮かされた脳みそをグルグル。
駅に着いて、タクシーで帰宅。
数日寝込んだ後、回復。