343声 籠に乗って夜空

2008年12月08日

今週の10日から、高崎市の榛名湖イルミネーションフェスタ08が開催。
っちゅう事で、報道関係者用に、先行して試験点灯されたのが昨日。

17時30分、極寒の榛名湖。
寒さで震える手でシャッターを切る。
全体を写す為、上空から広角で撮ろう。
ってんで、籠付きのクレーン車があるでしょう、
電線工事とかで良く見る、くの字型のクレーンが伸びて、人乗せた籠が電線まで上がる車。
ビルの外壁清掃や、窓拭きなんかでも見かける。
あのクレーン車を駐車場に止めて、籠に乗って目一杯クレーンを伸ばす。
そして、夜空の遥か上空から一枚撮ろう。
と言う事になっていた、行ったら既に。

いざ、カメラと三脚を持って、籠に乗る私。
「はい、じゃあ上げまーす」
と、係りの人がなにやら操作。
「ガコン」
って、振動。
したかと思うや否や、ギュイーンっと、みるみる上空に上がって行く籠。
みるみる竦み上がる私の肝っ玉。
寒くて震えてんだか、高くて震えてんだか、ともかく、必死でシャッターを切る。
また、写真を撮る為には、どうしても下を向かなければいけないのだ。

「ガコン」
って、また振動して停止。
どうやらクレーンが伸び切ったみたい。
「いちいち振動するんじゃねぇ」
ったって、下の人々は手の平サイズ。
幻想的なイルミネーションが、目下の状況の私にとっては、幻想的な死後の世界ってな塩梅。
耳を切る風の音が、不気味にせせら笑う。

やっとの事で降りて来て、駐車場。
「どうだった」って聞かれた、私。
「まぁ、上からの眺めは、なかなかのもんでしたよ」
って、膝の震えを隠しながら。

しかしまぁ、凄いよ、あのイルミネーションは。
どっかの誰かが、言っていた。
「函館の夜景に匹敵するな」って。
函館の人、怒らないで下さいね。