352声 サンタはコロンの香り

2008年12月17日

クリスマスがいよいよ来週に近付き、洋菓子関係者は、
クリスマスケーキ作りに奔走している事だろう。
日本のクリスマスで、子供たちの憧憬を二分するのが、
ケーキとプレゼントだろう。
プレゼントはやはり、玩具である。
よって、今週末辺り、街の玩具屋が賑わいを見せるだろう。

私は、高校生時分、この時期の玩具屋でアルバイトをしていた経験があるので、
雰囲気は分かるのだ。 
今を遡る事、約十年前の当時。
クリスマス前の週末ともなれば、開店前の朝から、とーちゃんかーちゃん連中が、
自動ドアの前で白い息を吐いて、待っていた。
私が行って、ドアを開けるや否や、曲った矢の様に店内を疾走。
各々、片手には、おそらく子供からのリクエストなのだろう、
メモ用紙に書いたプレゼントリストを握りしめている。

そして、この時期の平日の客層が、また面白いのである。
平日の夕方ごろ、高校生の私が見ても一目で「水商売」と推察される、
綺麗なお姉さんが来たりする。
中には、どっからどう見ても、浪花節系スナックのママと思しき人もチラホラ。
もちろん、プラモデルやぬいぐるみを買いに来るのではない。

その人たちが、買い物かごに目一杯、大量購入して行く物は、パーティーグッズである。
その時期に見られる、忘年会を控えたサラリーマン。
など、比では無い量の各種パーティーグッズを購入して行くのだ。

クラッカー20個
クリスマスツリー(大)3個
クリスマスツリー飾り一式30個
鼻めがね、かつら、蝶ネクタイ等の小物30個
ダーツ、トランプなどのゲーム類5個
とどめに、お菓子類50個

なんて具合に、花柳界とは言わないが、
酔街のクリスマスに対する、意気込みが伝わってくる。
当時の私は、驚くと共に、一体どんなクリスマスパーティーが夜ごと開かれているのか、
非常に気になった。

この時期の玩具屋には、様々なサンタが訪れる。
とりわけ私は、平日の夕方に訪れる、コロンの香りがするサンタさんの国に行ってみたい。
そんな事を、ぼんやりとレジを打ちながら考えていたのである。