363声 プラスチックな正月

2008年12月28日

ラスト3声。
と言っても、また来年は366声から始まるのである。
そう言っちゃっちゃあ、芸がない。
雰囲気も出ない。
ので、いよいよ残すところ、今年もあと3声。

息を吹きかけると、脈を取り戻したかの如く、ボーッと赤く灯る炭の燃えカス。
心許無い活気を呈する、年末の街中商店街を歩いていると、そんな印象を受ける。
人気もまばらな商店街の魚屋の店頭。
網目が粗い、エンジ色の毛糸のセーターを着たおばあちゃんが、
新巻鮭を買っている。
年の瀬風物詩の模範的な光景である。

対照的に、郊外の大型ショッピングセンターは、満員御礼の盛況ぶり。
駐車場待ちの長い車列は、もはや年末における、県内恒例の光景。
クリスマスから一転、店内に響き渡る、箏曲「春の海」。
そして、ショッピングカートが押し合いへし合いの、食品売り場。
あらゆる日本の正月が詰め込まれている。
プラスチックケースの中。