372声 手紙の温度

2009年01月06日

来た者に対し、年賀状を書いている。
不精な性格ゆえ、今年(否、ここ数年)は返送でしか年賀状を書いていない。
書き始めると、自らの字が、非常に稚拙で閉口。
私の手元にある年賀状は、その大半がプリントアウトである。
今年の干支である丑が、綺麗なデザインで定型の挨拶と共にプリントされている。
写真入りの物や、非常に凝ったデザインの物、様々。
どれも、非常に綺麗で見やすい。

それに比べ、私が書いた年賀状。
まさに、小学校低学年生が書いたかのように、
のたくった、墨文字一色の新年の挨拶。

そう言えば、私の友人にも、大人になっても字が下手な者がいる。
中学生時分の年賀状と、二十歳を超えてからの年賀状の字が、
全く成長していない、歩きながら書いた様な、ヨレヨレ文字。
思えばここ数年、あのヨレヨレ文字を見ていない。

そして、今までもらってきた年賀状で、特に印象に残っているのは、そんな年賀状。
バランスが悪く、不格好で、幼稚な文字が並んでいる、味があって温かみのある年賀状たちだ。
タイトルが付いていなければ分からない様な、手書きの干支のイラストを見て、
元日に一笑い。
大切なのは、手紙の温度である。
手書きの絵が沢山ある、稚拙だが、相手を思いやる文章の入った手書きの年賀状は、温かい。

だからと言って、この年になってもまだ、ミミズがのたくった様な文字を書いている自分は、
どうかと思ったりもする。