394声 銭湯の闖入者 前編

2009年01月28日

先週の日曜日。
路地裏銭湯記に書く為、高崎市新町へと銭湯捜索に出かけた。
手持ちの、「上州いきいき湯ったり銭湯マップ」によると、2軒存在。

市内の路地を右往左往。
まず1軒目の場所へと辿り着くが、無い。
通り沿いの商店街の外観から推察するに、
区画整理等あり、商売を止してしまったのだろう。

そして、2軒目。
商店街から路地を縫って進むと、瓦屋根の向こうに煙突を発見。
目指した先に辿り着くと、住宅街にひっそりと、懐古的銭湯が佇んでいた。
歴史時計の針が止まってから、久しい印象を受ける。
草臥れて全体的にくすんだ外観と言い、
店舗横の敷地で風化している、半ば朽ち果てたシトロエンと言い、
「デカダンス」と言う言葉が、自然と脳裏に浮かぶ。

時刻は3時前。
まだ来るのが早すぎたのか、入口には暖簾が掛っておらず、人気もない。
何時から開店なのかを確認しようと、入口から脱衣場へと顔を覗かせる。
番台には誰おらず、脱衣場も午後の陽が影を落として、静まり返っている。
しかし、置いてある脱衣籠の一つには衣類が入っており、
浴室のすりガラスの向こうに、なにやら人影が見える。

さて、その人影とは一体!?
明日へと続く。