401声 図書館の追憶

2009年02月04日

夕方、近所の図書館に借本を返しに行った。
カウンターで本を返却し、館内を出口に向かって歩く。
何気なく、おばちゃんとすれ違って、足を止めた。
肩越しにおばちゃんの後姿を覗くと、記憶のアルバムがパラパラ捲れる。

「先生だ」
小学校時分に、担任だった先生なのである。
随分時が経ち、容貌からも時の流れを感じさせる。
が、微かに面影。
先生は私に気付いていない様で、本棚で探本中。
私の顔が見える様、近くを通り抜けたのだが、
どうやら記憶は結びつかないらしい。

そのまま、図書館を後に帰路へ就く。
胸に湧く、懐旧の情、しみじみと。
そして、そこはかとない感傷的気分。
先生の背丈が、驚く程、低く見えたからである。