442声 青春を享受

2009年03月17日

真っ昼間から、若い男女達が、入れ替わり立ち替わり、入って行く場所。
と言えば、特にこの時期、繁華街のカラオケ店が顕著である。

街のカラオケ店入り口付近には、群れをなして駐輪してある夥しい数の自転車。
巷の中・高生も大半が春休みになっている様子。
最近の流行歌手の名前には、明るくない。
ので、どの様な楽曲が現代の中・高生の間で好まれているのか、見当もつかない。
しかしながら、一時的に学校生活から解き放たれた開放感や、
年頃の男女間に漂う、繊細な雰囲気の緊張感は、想像しうる。
それらの感情は、脳内で融解し化学変化を起こす。
その結果は、ワルノリ。

カラオケ部屋の中、Uの字型のソファーに腰掛ける、一塊りの男女。
塊に必ずいるのが、ワルノリを生業とするお調子者稼業の輩。
大人ぶって吸った煙草にむせ、やみくもに痛飲したビールに酔い、
更に自らの歌声にも酔い、大いに弁舌を振るう。
そう言う輩は大抵、時間が経つと静まる。
ふと見ると、空気の淀んだ薄暗い部屋で、デンモク(電子目次本)を持ったまま、
眼光も鈍く顔も真っ青になって、固まっているのである。

淀んだ空気の部屋、目一杯に反響する、低音のみが強調された伴奏。
マイクロフォンエコーの掛かり過ぎによる、
音程と明瞭さの具合が悪い歌唱。
失敗も成功も、自由を音楽で享受する娯楽。
今、目の前にあるのが青春であるぞ、諸君。