450声 見紛う丹前

2009年03月25日

暖かい日が続き、桜の蕾も随分と緩んでいた矢先の雨。
本日の冷雨で、綻び始めた蕾も一旦足止め。
県北のみなかみ辺りでは、降雪が確認されたらしい。

私も、一度押し入れにしまった、丹前を引っ張りだしてきた。
丹前と書くと、行間から風流な香が漂うが、つまりは、どてらである。
これで黒縁眼鏡をかければ、見紛う事無く苦学生になる。
しかし、片手に持っているこの煎餅は、一寸オツなもの。

先程、高崎市は柳川町で買った、「さくらせんべい」なる煎餅。
さくらの花びらの形になっており、表面はさくら色の卵白で覆われている。
軽い食感と、ほんのりとしそが香ばしい。

どてら着て、煎餅齧ながら出涸らしの茶を啜っている。
ふと、己の現在位置を見紛う。