453声 最良の焼き鳥

2009年03月28日

「花冷え」
って言葉を痛感する日々が続く、ここ数日。
近所のスーパーなんかに行くと、鼻先に漂ってくる匂いに、
入口で思わず足を止めてしまう。

匂いの出所は、軽トラ屋台の焼き鳥屋さんである。
煙と共に漂って来るのは、焼き鳥が焼ける香ばしい匂い。
スーパーに行く時ってのは、大概空腹の時が多い。
空腹時に、あの官能的な匂いを嗅がされようものなら、
私などは一発でKOされてしまう。

その場で数本焼いてもらい、急いで家に帰って缶麦酒を開ける。
舌は鼓を打ち鳴らし、気分は贅沢感に満たされ、余は満足じゃ。
とは、ならない。
さて、どうしてか。
屋台の前で盛り上がっていた気持ちも、家に帰って、小汚いテーブルの上で、
軽くチンした焼き鳥を食べる頃には、沈静化しているから。
焼き鳥と一緒に、狐に摘まれた様なやり切れなさを、
ビールで流し込むの破目になる。

やはり屋台の焼き鳥は、焼けたその場で勝負を付けないと駄目なのだ。
とすると、屋台の前で缶麦酒片手に焼けるのを待っていて、
焼けたら直ぐその場で食べる。
そして、鼻水と缶麦酒を勢い良く啜る。
これが屋台焼き鳥を楽しむ為の、最良の方法。
実行の際に必要なのは、少々の勇気と、近所の評判を気にしない心構え。
それさえ用意できれば、最良の焼き鳥が味わえるのだ。

さてと、もう一回レンジであっため直そ。