夜半、静かである。
外は、しっとりと冷たい雨が降っている。
花見俳句会を昨夜にして、正解だった。
過日を振り返って、主催で物事を進めている時は、当日、必ず忘れ物をする。
一昨夜は写真機。
我が愛用の写真機、GR DIGITAL2の活躍が水の泡になってしまった。
結局、写真は一枚も撮れず仕舞い。
思えば、「就寝前に明日の用意をする」と言う生活様式が、
一度も定着しない人生を歩んで来た。
小学生時分から、授業で使う教科書を前の晩にランドセルに入れておけば、
翌朝慌てる心配も、忘れる心配も無いのである。
しかし、それが出来ない。
どうしても、「明日の朝出来る」と言う、根拠のない自信を拠り所にして、
布団に潜り込んでしまう。
それは、大人になった現在でも変わらない。
問題は、どうしたら「朝出来る」ようになるかではなく、
どうしたら「前晩に出来る」ようになるか。
「こんばんは」
と、睡魔に挨拶。
そもそもコイツが、私の自信を確信に変える張本人。
睡魔の口車に乗って、いつもの如く、目覚まし時計に手を伸ばす。
そして朝、カメラには手を伸ばさずに、慌ただしく出掛けて行ってしまう。
嗚呼悔恨。
夜半の雨が、過日を振り返らせる。