「艶やかな花衣を纏ったかの様に」
などと、まだ桜も蕾の頃から、大袈裟な形容で桜の名所を紹介する文章を書いていた。
しかし本日、その形容が、あながち大袈裟でも無かったと実感した。
山間を除けば、今、群馬県内では桜が満開。
ほちぼち散り始めてくる頃だろう。
県内の桜の名所である、里山や公園。
いくつか固有名詞を列挙すれば、前橋の敷島公園、高崎の観音山公園、
伊勢崎の華蔵寺公園、藤岡の桜山森林公園など。
まさに、花衣を纏ったかの様に、艶やかな彩りを見せている。
群馬県だけでなく、全国的に満開を迎え、多くの花見遊山客の目を楽しませている。
確かに国内には、「桜の名所100選」に象徴される様な、桜の見所は数限りなくある。
私も、一二度、県外にある国内でも有数の、桜の名所で花見をした事があるが、
どれも、郷土で観る桜には敵わない。
それが、どこがどう敵わないのか、的確に書き現す事が出来ない。
出来ないのだが、一日何千人と訪れる公園よりも、近所の古刹の桜に、
えも言われぬ風情を感じる。
そんな風情を感じた時に、自らの故郷を漠然と意識する。