肌寒い雨の月曜日。
この頃「疲れた」を連発している私は、これはとことん寝るしかないと思い、晩飯を食べに外に出た以外は、一日中部屋の中にいた。
夕方部屋を出て何を食べようかとウロウロしていて気づいた。
疲れているときはほっといてもらえる店に行きたいんだと。
店の人のことを考えなければいけないと思うだけで疲れてしまう。
そうなんだと思って次に頭に浮かんだのが、テレビのある店がいいな、で。
テレビがあれば店の人をあまり気にしなくて済む。
そうしようと思って近くの繁華街をウロウロして、テレビのある天ぷらやがやっているのを見つけた。
店に入ると私の母くらいの年齢の女性とその娘さんらしき女性。
マスターは奥にいるのかなと思って注文したら、その娘さんらしき、娘と言っても私よりは歳の上のその女性が天ぷらを揚げ始めた。
こういう状況に非常によく似た店を他に知っている。
もしかしたらマスターは他界されたのかもしれない。
そう思って店内を見渡したら、ビールケースの上に男性の写真が飾られていた。
それ以上は詮索もせず、だから本当にそうだったのか確認もせず、テレビを見ながらお銚子一本と天ぷらを食べて、ゆっくりできたと思って店を後にした。
部屋に戻り、珍しくもうこれ以上飲みたくもないので、さっきまで本を読んでいてまた気がついた。
「スポットライトの当たらない空白」というフレーズを目にして。
考えたいことがまとまらないとき、何かのフレーズでまた思考が始まることが多く、それは食材を見ないと料理が浮かばない、というのと同じようなことだと思うけれど、「スポットライトの当たらない空白」というフレーズを見つけて、昨日のひとこえで言いたかっためっかった群馬についてというのは、そういうことだった。
めっかった群馬というのは、スポットライトの当たらない空白を見過ごせない者の見つけてきた空白集みたいなもの、かもしれない。
街には、そんな空白がたくさんある。
今日の天ぷらやもそうかもしれない。

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