495声 窓辺の現象

2009年05月09日

五月晴れ。
終日、過ごし易い気候。
窓辺に机があり、机の上にはノートパソコンが置いてある。
ノートパソコンの上には、薄い雲が棚引く淡い青空が広がっている。
網戸越し、西日を受けて、橙色に照る群馬県庁を望む。

直ぐ隣の家の電線。
青、緑、茶の線が、絡まって伸びている。
その電線の穏便を破ったのは、一羽の野鳥。
小さな弧を描いて電線に止まると、小気味良く、首や目を動かしている。
掌程の大きさのその鳥は、全体に灰色の羽毛に覆われ、
頬の横にある朱色の羽毛が鮮やかである。
チッと鳴いて飛び去り、弧を描いて軒先にあるアンテナに止ったかと思うと、
また直ぐに飛び去って、気紛れに何処かへ行ってしまった。

雲雀の声に混じって、思い出した様に合唱する蛙の声も、遠くに聞こえる。
斜向かいのアパートの二階。
時折、滑空して来て巣に戻ったかと思えば、また忙しく舞い戻って行く燕が一羽。
風が夜の気配に変わりつつある、夕暮れ。
一寸出掛けるか、否か。
窓辺の現象に目を向けながら、頬杖を付いている。