2419声 河鹿宿其の二

2015年05月24日

宿の入り口に「杖洗い場」なる小さな水場を見ると、
秩父は巡礼の地なのだと言う実感が湧いた。
宿自体はかなり古く、蛾や蜘蛛と一緒に寝るような形にはなるが、
こう言う宿だからこそ、窓を開けっ放していられるし、
防音も無い代わりに、瀬音や囀りなど自然の音に触れられる。
句ができるかどうかは別であるが、句材には事欠かぬ一晩であった。
この日は、横瀬川にそって野辺を歩き、公民館で句会をして解散となった。
参加の平均年齢がだいぶ若く、私などは高齢の部であったので、
ずいぶんと老けた思いがした。
これから俳句の世界に漕ぎ出そうとする人と、
悠々と櫓を漕いでいる人と、転覆しかかっている私と。
今回でもまた、自分の非力が露呈する結果であったが、
それによってどうのこうのと考えることは、とうの昔に止めた。
触れている自然の中に、ゆるがぬ「真」があるのだから。