2448声 映画館

2015年06月22日

映画を観る機会はめっきり減ってしまったが、
それでもシネマテークたかさきへ観たい映画を観に行くのは
僕にとって至福の時である。

 

以前観た映画に『私はロランス』という映画があった。
男前な学校教師のロランス。彼はある日、
自分が女性として生きることを宣言する。
スカートを履き、化粧もバッチリ決め出社。
生徒や同僚にはざわめきが起きる。なにより、
彼と親密に付き合ってきた彼女・フレッドはひどく混乱する。

 

そんなロランスとフレッドの長きに渡る愛の軌跡を、
独自の映像美と肉薄する人間描写で描き切った力作なのだが、
観終わりクタクタにやられたと思った後に、
実はこの映画の監督、グザヴィエ・ドランは若干25歳位だと知り、
「そんな若い奴に驚かされ泣かされコテンパンにやられた」
とくやしい思いをした記憶がある。世間は彼を天才と呼んでいる。

 

彼の新作『マミー』をシネマテークたかさきへ観に行った。
精神疾患を持つ暴力気質のある息子と、
一人親として彼とどう接していいかわからない不良な母親の物語。
もうすでに一ファンである。今回も、コテンパンにやられた。

 

ドラン監督自身、ゲイであることを告白しており、
映画にもいわゆるマイノリティな人物が多々登場する。
世間との軋轢の中で彼らが見せるむきだしの感情と、
その芯にある愛、輝きのようなものを、若干25歳位のこの監督は
ストレートに差し出してくる。映画好き人間好きには溜まらない。

 

そういった映画を暗やみの中、見ず知らずの誰かと共に
観て、共感することは、とても大切なことだと思う。
その日の上映後、知り合いは誰ひとりいなかったので、
この『マミー』を観て興奮したと言っていた知人に
わざわざ電話をかけた。「なあなあ、あのシーンだけどさ!」と。

 

映画をもっと観たい。映画館へ行きたい。