581声 後の祭りの舌打ち

2009年08月03日

祭りの喧騒から逃れる様に、街外れの居酒屋に入った。
席に着いて、徐にメニューを取ると、カウンターのおばちゃんが、矢を射る様な声。
「今日は祭り限定メニューだけだから」
促されて、テーブルの横を見ると、一枚の紙っぺらが置いてある。
即席で作った、手書きメニュー。
どうやらこれが、その限定メニュ−らしい。
見ると、全体的に値段が高い。
この店は、以前、一度だけ寄った事があるので、大体の値段見当は付いていたが、
それを随分と上回っている。
私が見当を見誤った。
と言うより、端的に言えば、明らかに便乗値上げだろう。
一年に一度の祭りなのだ。
割り切って、幾つか見繕って注文。
往来の屋台の倍もする値の生麦酒を飲みながら、
衣の剥げた、いかげそをつまんでいると、無意識に舌打ちが出て困った。
当然、店に居着く事無く、早々と辞した。
その後、足を伸ばした商店街。
往来の脇に立ち並ぶ、水商売店。
客引きする御姐さんの横で、簡易コンロで焼き鳥を売っているボーイさん。
こっちの方が、よっぽどよっぽど良心価格で、よっぽどよっぽど味も確かである。
先程の店で勘定を済ませ、随分と薄くなった財布を取り出すと、
また、舌打ちが出た。