2654声 キンチョー食堂 後編

2016年01月14日

麦酒を飲み干して、さてお会計と言うときに、レジ横に発見した。
「金蝶ソース売ってます」の張り紙を。
あの「キンチョー」は「金蝶」だったのである。
「金鳥」の想像も案外近いものがあったが、「金蝶ソース」とは、
長崎生まれのウスターソースの銘柄のことで、
主に皿うどんにかけて食べるように開発されたソースらしい。
この食堂ではそのソースが常備されており、常連の方々は、
皿うどんとは言わず、揚げ物やキャベツなどにこのソースを用いる。
つまりは、金蝶ソースファンが多いのである。
なるほど、壁のメニューにも、「ちゃんぽん」や「皿うどん」、
「あごだしラーメン」など、長崎をルーツにしているらしい。

 

それからと言うもの、私も金蝶。
今では、当然のように金蝶ソースを手に取り、自分の卓に無ければ、
隣の卓に手を伸ばしてまで、用いるようになってしまった。
濃厚な味わいでないが、さらっとしていながらも風味に富んでいる。
皿うどんには勿論、アジフライなど二つに割り、
片側は醤油、片側は金蝶で食べているときなど、小さな幸せである。
この金蝶ソースをたっぷりかけたメンチカツが、
この食堂の好物のひとつである。

 

 

後編終わり。