2666声 到達点

2016年01月26日

先日より観はじめたテレビドラマがある。
主人公は39歳独身男性、文具メーカーの企画開発部で働く、
所謂、エリートサラリーマン。
周囲から囁かれる異性への出会いなど興味なく、
もちろん、結婚への前向きな考えなどさらさらなく、
ウォーターフロントにある高層マンションの4階を購入。
(4階と言うところが、巧妙である)
性格は過剰とも思える神経質で、例えば、部屋の壁にかけてある、
愛車のロードバイクのペダルの位置が、いつも同じにないと気に食わない。

 

そんな神経質で、自身の美を満足させることに生きがいを持つ彼が、
長年思い描いてきた、理想の空間を自分の力で手に入れた喜びは、大きい。
ロフトから部屋を見下ろしつつ、お気に入りの麦酒を傾け、
夜な夜な自分だけの世界に浸っているような、男である。

 

ドラマのあらすじを書くつもりは無く、気になった点がひとつ。
主人公のいくつかある趣味の内、「麦酒」と言うのがある。
部屋にはビールセラーがあり、世界のクラフトビールが冷やされている。
傍らの棚にはもちろん、麦酒のスタイルに応じたグラスが、
ずらりと並べられているのである。
いきつけのバーでは、お勧めのクラフトビールを紹介してもらい、
グラスごと譲ってもらったり、麦酒に注ぐ情熱にはただならぬものが伺える。

 

柿の種と缶麦酒を握り締めつつ、「遂に麦酒もここまで来たか」と、
感慨深くテレビを眺めていた。