3490声 舞台「不幸の家族」

2016年05月29日

落語家の立川志らく原作の舞台「不幸の家族」を見てきた。
元海上自衛隊の男2人とその家族の物語。
家族であることと男2人の友情が交錯したところに生まれる不幸の物語。
そこに恋が重なって、全員の関係が揺らぐ。
話の展開が現実的すれすれのところで進むのは、落語的だった。
あくまで現実を基軸としながら、その逸脱が絶妙に大きくなったものがイリュージョン。
私が勝手に考えた。
これが非現実となってしまうとファンタジー。
いずれにしても、逸脱感が大きくなればなるほど感情移入が難しくなる。
話のつなぎ目に感情が着いてゆけないから。
ましてやそこに笑いを盛り込めば尚更に。
文字通りてんこ盛りな内容だった。
なのに後半話が一気にシンプルになる。
プライドと優しさに挟まれた、どちらもリアルな葛藤と、その葛藤を飲み込みたくても飲み込めない切なさが、落語的了見の琴線を刺激してくる。
そのまた描き方が、シンプルなフレーズに乗っかるから余計に。
優しいってこういうことだ、というのに気づかされた時には時すでに遅し。
涙腺崩壊。
師匠のブルースハープがまた、よかった。