3653声 ごちそうさま

2016年11月09日

新米が炊きあがる。

釜を開け、立ち上がる湯気。

茶碗によそり、食卓へ。

そこにはすでにこんがり焼けた秋刀魚がある。

まずはご飯を一口。

はふはふ言いながら、大根おろしに醤油を垂らす。

秋刀魚に箸を当てる。ぱりっと音がして身があらわになる。

大根おろしを乗せて、口に運ぶ。

じゅわっと脂が広がり、大根おろしが絶妙に押さえる。

すかさず、すかさずご飯を口に。

秋刀魚とご飯とが、輪になって踊る。

まあまあ落ち着けと、大根の味噌汁をすする。

秋刀魚、ご飯、味噌汁、秋刀魚、ご飯、たくわん、味噌汁・・

全てを、まんべんなく食べ終わる。

そのタイミングで運ばれてくるお茶。細くゆれる湯気。

ずずずとすする。もろもろが、すーっと下りる。

深呼吸ひとつ。

多面的にむかれた柿を口に運ぶ。ふに、ふに。

そうしてようやく、食卓から解放されて。

顔を上げると、窓の外には赤や黄色の紅葉。

ごちそうさま。