3654声 おとなになるってどんなこと?

2016年11月10日

アーツ前橋で行われた展示「表現の森」の一部に、映像記録として関わらせていただいた。めっかった群馬のすーさんが観に来てくれたことを書いていて、それを読んだ時は嬉しかった。

 

この展示の参加作家さんである群馬在住の後藤朋美さん(Gottonさん)が挿絵を描いた吉本ばななさん著「おとなになるってどんなこと?」を、この展示の関連のコーナーで買った。吉本ばななさんの本はそこそこ読んでいて、中でも短編集の「デットエンドの思い出」「体は全部知っている」は、おじさんが読むには抵抗あるかもしれない吉本さんの本の中にあって、読まないのはもったいない名作だと思っている。

 

「おとなになるってどんなこと?」は、ちくまプリマ-新書から出ているエッセイ集で、この新書シリーズは「こどもたちに向けて、その筋の先駆者が、わかりやすい言葉で深いことを語る」シリーズなようで、この本でも勉強のこと、友達のこと、生死について、生きる意味などがこどもにも伝わるようなやさしい言葉で書かれている。でも、僕のようなずいぶんな大人が読んでも発見があるよい本だった。ページをめくる手をやさしく後押ししてくれるようなGottonさんの線画も良い。

 

発見があると言っても大半は「そうなんだよ」とある程度しったかぶれるものなのだが、自分では考えもしなかったことでひとつ心にひっかかった箇所がある。引用すると

 

「大人になるということは、つまりは、子どもの自分をちゃんと抱えながら、大人を生きるということです。」

 

子どもの頃の出来事がこの年になっても影響しているな、と思い当たることは多々あるのだけれど、今の自分の中に子どもの自分が《まだ》いるなんてことは考えたこともなかった。ああ、僕は(ある程度)子どもの自分を過去のものとして、そこにふたをしてやってきたのかもしれないな、と。(ある程度)と書いたのは、周りをみると僕よりもっと頑丈にふたをしている人は多い気がするからだ。自己啓発に興味はないが、このあたりのことは今後ぼんやり考えたいなと思った。ちなみに、僕が魅力的に感じる人の共通点もまた「子どもの自分をちゃんと抱えながら大人を生きている人」と言えなくもない。

 

あなたはどうですか?