3726声 何がわからないのかがわからない

2017年01月19日

待ち合わせの税務署へ歩く。
今日は風が強い。
書類作成をしているが、記入の仕方がわからないものを質問するために行った。
担当の酒類指導官もビールの申請は初めてらしく、あまりよくわからないらしい。

白いマスクをつけた男が二人、その場で考えながら記入することとなった。

かたや年齢はいくつなのか、少なくも私よりは若いだろう額に脂の光る真面目そうな男。

かたや寝癖の頭で酒の臭いがする男。

マスク越しに盛り上がるわけもなく、お互い余裕なんてないという雰囲気が充満する。
一通り、書類の書き方だけは理解でき、持ち帰り。
醸造所に戻って、一つずつ確認しながら書く。
ビールの醸造所はここ数年少しずつ増えているが、醸造所新設の市場ができるレベルではない。
酒類指導官がこの指導は初めてということも多いと思う。
設備も必要な機器を自分でかき集めて組み合わせていく。
大半が、何がわからないのかわからないところからの出発である。
それでも、一年近くもそういうことをしていると、わからないところがわかってくる。
ようやく、あと何がわかればビールができるのかがわかるところまできた。
何がわからないのかがわからない状態は、決して気持ちのよいものではない。
大事なのは、この一年その中に居続けた、ということだと思う。