3729声 初優勝

2017年01月22日

稀勢の里が優勝した。

土俵に上がって89場所目の優勝だから、実に15年の歳月が流れたということ。

相撲は、自分の形になって初めて勝てる競技である。

相撲だけではないかもしれない。

相撲以前に、そもそも自分の形になることが苦手なのが稀勢の里という人だと、今まで彼を見続けてきて、勝手に感じていた。

自分の形になるには、とにかく地道な努力が必要で、それから加えて、自分に酔う力、陶酔力みたいなものもどこかで必要なのだと思う。

稀勢の里はなかなか酔わない。

それは、もっと高いレベルを目指しているからかもしれないし、あるいは、とことん真面目で臆病なのかもしれない。

これでおそらく、来場所横綱に昇進することになると思う。

稀勢の里は、まれに見る地道な努力だけで横綱に昇りつめた力士だと思う。

横綱になったら、少しは自分の形に酔う相撲も見せてほしい。

稀勢の里の相撲は、もう十分かっこいいのであるから。