3742声 むなしい時間

2017年02月04日

風はつめたく、日差しはあたたかく。
立春らしい日和であった。
こんな気持ちのいい青空の下、二日酔いであった。

昨晩は人と待ち合わせをして、酒場へ向かったのだが、
何かとすれ違うことが多かった。
みな、気持ちだけ急いているような。
身体はまだ冬だが、心が先に春に向かっているからだろうか。
などと考えつつ、麦酒を飲みすぎてしまった。
瓶麦酒でちょこちょこ飲んでいればよいものを、
注ぎ注がれ、という手間を面倒に思い、
終始ジョッキを注文していたので、相当量飲んでしまった。
面倒に思うことこそ、心と身体のバランスが乱れているのであろう。

二日酔いの朝に、ジーンズのポケットから丸まって出てきた伝票。
そこに青いインクで長々と印字されている、
「生ジョッキ×1」の数を声を出して数えている時ほど、
むなしい時間ったらない。