3870声 地ビールとクラフト

2017年06月12日

銀座のちょっとした店での宴席より帰宅した。
ビールのラインナップに「那須高原ビール」があった。
スタイルこそひとつしかなかったが、美味しかった。
お店の方はしきりに「地ビール」と説明していた。
地ビールはその名の通り、味わいながらそのビールの地元に、
思いを馳せるのが醍醐味である。
 
ひと昔前、いまのような「クラフトビール」の呼称がなかったころ、
大手の、つまり大量生産されて一般的に流通する以外の、
ビールはおしなべて地ビールとなっていた思い出がある。
そして、それらの多くは土産的な要素が強く押し出されており、
製造しているのも、サイドビジネス的に製造している地場の企業が
多かった。
いまは淘汰されてみな美味しく飲めるが、
当時はやはり味にばらつきがあり、いまでも「地ビール」と聞くと、
敬遠する方も、実際、多く見てきた。
「昔、お土産で買ったどこそこの地ビールがまずかった」と。
 
そんな方でも、「クラフトビール」と聞くと、飛びついて飲んでいる。
確かに、その語感からも、クラフトマンシップで造られる、
一杯入魂のビールが連想され、美味しそうである。
確かに美味しいのだが、「地ビールはまずい、クラフトはうまい」
という図式が定着していることは、地ビールファンとしては悲しい。
だからどう、ということはなく、ただただ、美味しい「地ビール」を
薦めていきたいと思う。