3585声 しやがった

2017年09月05日

夕べ、猫が鳴いていた。
地の底から響いてくるようなおどろおどろしい声で。
こういう猫の鳴き声を、今までにも何度か聞いたことがある。
こういうときの猫は何を訴えているのだろうか。
苦しいのだろうか。
うるさいよ、と窓を叩いたら黙ったので、私はそのまま寝てしまった。
明け方、どうも臭くて、猫のおしっこのような臭いで目を覚ます。
外で、あの猫と同じ声の鳴き声がする。
しやがった、と、思った。
猫のおしっこのような、ではなく、本物の猫のおしっこである。
家は隙間だらけの古い家なので、自分がいるすぐ隣でされたのとあまり変わらない感覚である。
猫のおしっこは、どうしてこうも臭いのか。
声以上に臭いで眠れない。
何を冷やすわけでもなく、扇風機を窓の方向に向けて回し、私は廊下を向いて、布団にくるまった。