3602声 岡安さんの映像

2017年09月22日

岡安さんが、醸造所のPR映像を作ってくれた。
岡安さんは人間の、ありのままの屈託のなさを切り取る名人なんだなと思って、妙にいままでの付き合いに思いを馳せてしまった。
他人との付き合いは、生きていれば必ずそれを経験しなくてはならないが、その付き合いを思い通りに、描いた理想に近い形で経験するのは案外難しい。
だから、その難しさを仕事で代替して補う、ということがよくある。
仕事という、ある意味での役になりきることで、自分のこうありたい付き合いを追体験する、ということである。
私などまさにそうで、カウンターの内側にいるから、あるいは料理や酒があるから人と付き合えるので、いったんそこから出たら、ただの自分本意で臆病な、もはやリアルな初老男なのかもしれないと、本気で思っている。
岡安さんの映像を見て、実は岡安さんも映像を通して対象と、他者と付き合っているのかもしれないと思った。
岡安さんの映像に出てくる人物は、岡安さんが付き合いたいその人なのかもしれない。
あるいは、岡安さんが伝えたいその人、でもあるかもしれない。
何が言いたいかというと、その切り取りかたがいい。
岡安さんの映像にでてくる人物は、チャーミングなのである。