3627声 玄関灯

2017年10月17日

秋雨前線が横たわっている関係で、このところ雨続きである。
洗濯物は乾かぬし、気持ちは滅入るし、良いことはない。
おまけに、家の門についているポストの配置および形状が悪いのであるが、
雨が降るとポストの中の郵便物が濡れる。
封筒などはまだしも、手紙関係がとても水に弱い。
特に、万年筆で書かれたものなど、文字がにじんで、
判別できぬこともしばしばある。
そして、万年筆で書かれたものにこそ、重要なもの多いので、
始末に悪い。
さきほど、引き上げた郵便物にも、雨がしみ込んでいた。
湿った封筒を片手に雨を呪いつつ、門を閉めると、
門の脇の空に、大きな女郎蜘蛛を発見した。
じつにいきいきと黙々と、玄関灯に照らされた巣を繕っていた。