「俳句…」
と呟いてみたのは、この日刊「鶴のひとこえ」、本日が第819声だからである。
語呂合わせ、である。
では、ついでに。
小春日の焼きそばに饐えた生姜かな
野暮を承知で、説明する。
今日の昼。
仕事中にみどり市内を走行中、往来の店に目を奪われた。
その店に掛けられている朱色が古ぼけてくすんでいる暖簾には、
「焼きまんじゅう・焼きそば」
と白抜き文字で書かれている。
その店は、軽食堂兼駄菓子屋と言った具合の店。
店頭の脇には、これまた古ぼけて埃を被っているガチャガチャマシーンが4台。
愛想も無く、少年客を待ちぼうけている。
この系統の店では、なかなか侮れない焼きそばを提供している。
と言う、以前何処かで聞きかじった情報を元に、
群馬県東毛方面に土着する焼きそばを食べてみようと思い立ち、寄ってみた。
店主はおばあちゃん、ひとりきり。
店内は予想通り、懐古的かつ雑然としている。
例えば、「フジカラー」なんてポスターが、入口の硝子戸に貼ってあったりする。
そして焼きそば、これも、予想通り、細麺のポテト入り。
群馬県東毛方面、特に桐生市から栃木県にかけて、多く見られる形態である。
味わいながら、軽快に箸を進めて行くと、瞬間、異変を察知して、急停止。
異変を確認する為、怪しげな紅生姜を箸でつまんで、そっと鼻に近付けてみる。
「あぶない」
と言う変な感想が、脳内に殴り書きされる。
ためらいつつも、未だ半分残っている焼きそばと混ぜて、一切合財、綺麗に平らげた。
仄かに薫る、何やら饐えた紅生姜の、残り香。
薄日射す、正午過ぎの店内は、穏やかであった。
さて、春である。
生姜も饐える、焼きそばも美味い。

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