3715声 富士見のチーズ

2018年01月14日

富士見にチーズを買いに。赤城山の南面道路から一キロくらい上った山の中で、山羊のチーズを作っている方がいる。もうかれこれ20年になるのだという。話を聞きながら試食させていただき、いくつかを購入。チーズは若いものから数ヶ月熟成したものまであったが、今回は若いものばかりをいただいて、自分で熟成させてみることにした。富士見の上の方は、大きな農家がたくさんある。巨大なビニールハウスだったり、近代的な施設だったり。そういう、路面の広大な解放感と、この、まったくもって閉鎖的な山の中でチーズを一つずつ手作りしていることの落差がありすぎて、妙に、このチーズをいとおしく感じた。せっかく富士見に来たのだからひと風呂浴びようと、近くの温泉施設へ。天地の湯という、とてもいい風呂があるので行ったら、割烹着のお母さんが出てきた。なんでも、いま営業を停止しているのだと言う。理由は言わなかった。仕方がないと諦めかけていたら、「今日はいま風呂を入れているからどうぞ。ちょっとぬるいかもしれないけど」と言われた。どういうことかわからないが、とにかく寒いので、入らせてもらうことに。湯を張りはじめてあまり時間がたっていないせいか、やはりぬるい。けれども山小屋風情の風呂の貸しきりは、最高だった。風邪をぶり返さないようにたくさん着込み、お母さんにお礼を言って、帰ってきた。ここは、ワイン用のブドウも作っていて、ブドウができている感じはあまりないが、温泉の眼下にはブドウ畑が広がっている。人もブドウもワインもなくとも、温泉だけは出続けていた。