3736声 2018年1月回顧録〈其の四〉

2018年02月04日

沖縄のあとは、数日空いていずれも仕事で名古屋と大阪に。
東京は前日に大雪だったが、新幹線は問題なく運行しており、
予定時刻どおり、名古屋での仕事を終え、大阪と進んだ。
こちらの方面は雪もなく、ただし大阪の底冷えにはまいった。
大阪駅から梅田の地下街を通って、結局はいつも行く立ち飲み屋へ。
大阪のここの立ち飲み屋では、いつもがやがやと盛況なため、
注文時に大きな声を出す必要があり、酔ってくれば気にならぬのだが、
わっと大きな声を出すことが意外と難しいと感じた。
このごろは立ち飲み屋でも、注文は卓のタブレット端末で行える店も増えてきているので、
自分が軟弱になってしまったのだろうか。
あれは確かに、来店から注文、お会計まで、一言も発せずに済ませることができる。
そのうち、寿司屋やら定食屋でも、タブレットでなければ注文できないような、
そんな世代が増えてくるかもしれない。
ひとしきり飲んでこのあとは、やはりいつも行く酒場を二軒はしごした。
このごろとみに好奇心なども薄れ、自分にしっくりくる空間で、
静かに酌みたいと思うようになってきた。
千鳥足でお初天神通り商店街を歩いていると、アジア圏からの旅行者と思われる一段に、
店を聞かれた。
聞いてきた青年は英語で、タブレット片手に液晶画面を私に向け、
「この寿司屋の入り口はここでよいか」と言う。
ここでもタブレット端末。
「そうだ」というと、にこっとして、みなぞろぞろと暖簾をくぐって行った。
そこは老舗寿司屋で、おおよそタブレット端末で注文などできそうもない店構えである。
いやもしかして、外国人観光客がピンポイントで行く寿司屋である。
店内の卓にはずらっと液晶画面が並んでいるのかも。