3772声 まく子

2018年03月12日

四万温泉を舞台とした商業映画が生まれる。

 

それはいくつかの偶然が重なった結果だった。僕が関わる「伊参スタジオ映画祭」とは直接関係がないところで、人が人を呼び、その際にその人が四万温泉を気に入って、「それほど栄えてはいない温泉場」を舞台とした人気作家・西加奈子さんによる小説「まく子」の映画化の舞台として四万温泉を選んだ。僕もロケハンから関わらせてもらっている。

 

フィルムコミッション、という言葉はすでに一般化されたと思うが、それは主に地方において映画の撮影場所を提供する自治体やNPOによる組織のことを指す。中之条町は、伊参スタジオ映画祭が行っているシナリオコンペの映画化において同様の働きをするが、フィルムコミッションとしては成り立っていない。

 

けれどなぜこんなにもFC(フィルムコミッション)、FCと言われるかと言うと、一つには地域のPRとして地元を使ってもらい認知や集客に繋げたいという提供する側の希望もあるが、製作者側の希望として、大掛かりなセットなど作れない時代に、映画をより魅力的にするために魅力的な(かつ撮影がしやすい)現場を欲しているという傾向が強くなっているからだと思う。

 

その点において、「まく子」はその7割を四万温泉、残りを町内の小学校や一部東吾妻町・渋川市で撮影し、そのどれもが中之条町町内・周辺となる。そのどれもが「観光PRのための場所ではなく(町の名所の○○滝などは、往往にして映画には不要だったりする)、映画の内容に順じたベストプレイス」を揃えられたと思っている。全国上映は来春。とても楽しみである。