3977声 高知へ

2018年10月04日

 高知竜馬空港に着くと、雨が音を立てて降っていた。高知の市街地に来るのは、高校一年生の夏以来なので、かれこれ二十年ぶり。高知駅前はバスターミナルや大型の商業施設などが出来ており、あのころと比べ、格段に都市感が増していた。それでも、はりまや橋方面に歩くと、川沿いの道や路面電車など、当時と変わらぬ面影があった。当時訪れたときは、丁度、日曜市が開催されており、路上にびっしり露店が出ていた。はじめて見た「冷やし飴」と、プラスチックのパックで売られていた、つがいのかぶと虫を買ったことを鮮明に覚えている。
 そのかぶと虫は、その晩に泊まったユースホステルの枕の脇に置いて一緒に寝た。一晩中、かさこそかさこそ、うるさかったが、翌朝目覚めて見ると、パックの中が空っぽになっていた。二匹ともパックをこじ開けて逃げ出していた。