3979声 珈琲時間

2018年10月06日

 高知からの帰路。羽田発の飛行機の搭乗時刻までは二時間ほどあるので、高知駅前で時間をつぶそうとするが、よい時間のつぶし方が思い浮かばない。近場のどの観光地に行くにも時間が足りない。こういう時間を上手く使えないところに、旅慣れていないもどかしさを痛感する。仕方なく、目抜きとおり沿いの老舗喫茶店に入った。
 店舗は老舗だが開店して一周年とのこと。姉妹、それとも友人であろうか、五十年配の女性二人がきびきびと立ち働いている。駅前はイベントなどでやや騒々しかったが、店内は体育の日を月曜日に控えた、三連休の初日とは思えぬほどの静けさ。慌ただしく観光するよりも、この香ばしい珈琲は、案外、上手い時間の使い方だったかもしれない。