4132声 忘れっぽい天使/そのいのち

2019年03月08日

TBSラジオで夜、女性ボーカルの曲を何曲もMIXした音楽が流れていた。洋楽に混じって、安室奈美恵や宇多田ヒカルもかかったかな。そのMIXの最後にかかったのは中村佳穂さんの曲だった。アフター6ジャンクション、映画コラムニストとしても大きな信頼を得るライムスター宇多丸も一押しの、中村佳穂さん。でも・・知っている人は少ないだろう。

 

僕らが一番音楽を買い求めたであろう90〜00年代はJ-POP最盛期。歌番組も多く、ドラマの主題歌になればミリオンセラー。その後10年代に入り、ネットで曲を聞いて済ませてしまう人が増えたのか、いわゆるヒットソングに人々が飽きてしまったのか、音楽の趣味が細分化されたのか、「CDが売れなくなった」と聞いてから長い時間が経った。ミュージシャンにとっては苦難の時代なのだろうか。

 

けれど若いミュージシャンの中には、J-POP最盛期の名残にしがみつくのではなく、時代と国と音楽ジャンルを横断してハイブリッドな音楽を「地で」いく者が少なくない気がする。先に紹介した折坂悠太、文部科学大臣新人賞も受賞したという蓮沼執太、実は群馬出身のmabanua、そしてこの中村佳穂など。彼らに一貫するのは「媚びていない音楽」だということ。

 

まだこれほど(一部で)名が広まる前に下記動画をたまたまyoutubeで見て、「ああ、この子は音楽が好きなんだなぁ」と思った。CDを買ったのは、世間で売れているからではなく、微々たるものだけど応援したいと思ったから。ミリオンセラーを買う1枚は、そのお金と思いがどこへ吸い込まれていくのかわからないけど、今時代の「CDを買う」という行為は、よりリスナーとアーティストとの距離を近める行為であるように思う。そしてそういう音楽との付き合い方の方が、実は楽しい。