4191声 ゆらぎから生まれる温かみ

2019年05月07日

休みを利用して、松本へ。寒い。松本は民芸家具の街であり、そこかしこに、民芸の歴史が色濃く残る。民芸と自然な造りのワインは、似ている。生酛造りの日本酒も。ともにそれらは、ゆらぎの中にある。容赦ない現実の中の、うまくいかなさみたいなものをどこかにまとっている。作家の鞍田崇さんは、民芸をいとおしさから位置づけた。いとおしさは、ゆらぎの中に生まれるのだと思う。現実という平凡に即したゆらぎから生まれる温かみが、民芸にはある。だから、民芸に触れるとは温かみに触れるということで、それはそのまま生活に即している。つまり、民芸が気づかせてくれるのは、生活のゆらぎそのものを温かいと思っていいんだ、ということだと思う。