4373声 露天風呂

2019年11月05日

今年仕事を通じて知り合った社長の、プライベート露天風呂に入らせていただいた。北軽井沢の奥、せせらぎの川沿いにあるその露天風呂は、湯船は4人用が2つ並ぶくらいの比較的こじんまりしたものだが、追い焚きするのはガスではなく薪。泉質もそばの温泉とは違い炭酸性のいいお湯なんだとか。これを客商売ではなく個人で使っていて、従業員の人であれば希望すれば入れるようにしているのだそう。

 

初めての場所、夜なので周囲のことはよくわからない、というか外灯もほぼない。もう寒い時期なのでそそくさと湯船に入る。川の流れる音がして、薪で温めた温泉だということが、その湯をさらに特別なものに感じさせた。一言でいうと「極楽」だった。

 

ふた回りくらい年上のその社長も一緒に入り、この露天風呂を手にすることになった不思議な経緯や、事業においての過去の修羅場の話などを聞いた。すっぽんぽんだからというわけではなく隠さない方なので、ダイレクトにその世代の、彼特有の「腹の据わり方」が伝わってきた。そうなれる自信はないが、感化されるものがあった。

 

立ち上がる湯気を目で追いながら空を眺めると、星がまたたいていた。