4337声 9)本

2020年03月09日

本をまったく読まない人もいる。週に2〜3冊は読むという人もいる。スマホ全盛の今、文字は細切れで送られてくる。スマホであれば写真、映像だって手軽に見れる。では本は、時代遅れなのだろうか。

 

深い情報、深い物語を知るためには本は優れている。僕は高崎「REBEL BOOKS」が好きなのだが、そこには店主・荻原くんがセレクトした本が、それほどは大きくない店内にギッシリ並んでいる。デザイン、まちづくり、いいところをつく小説・まんが。そして大げさに言えば、店主がそれを求めているがゆえに「私たちはどう生きるか」という手がかりになるような本が並んでいるのだと思う。それは、ネットで自分が好きなものにしか触れていない人の目に入らない領域である。

 

なぜ本を所有するのだろう。もちろん1度読んでいらなくなる本もあれば、10年くらい経ってなんでこんな本を読んでいたのだろうという本もある。それでも、読み返すことは少なくても(読み返さなくても)手元に置きたい本というのは、「ありたい自分」を含んでいる本であるように思う。それは、所有するだけでも意味があるのだ。だからその人の本棚を見ればその人の内面がわかってしまうし、僕は大切な本を所持していたいと思う。

 

コロナ禍により学校授業が先送りになった姪2人に、図書券を送った。漫画でもいいから、心に残る本との出会いがあれば嬉しい。

 

《ずっと手元に置いておきたい本を思いつきのまま5冊記してみる。興味あるものがあれば一読いただきたい》

「モモ」ミヒャエル・エンデ
「ムーンパレス」ポール・オースター
「なつかしい時間」長田弘(3/6に関係する投稿あり)
「自分の仕事をつくる」西村佳哲
「夕凪の街 桜の国」こうの史代