4341声 13)酒

2020年03月13日

Zoom飲み会(ネットを通じて離れた場所の人どうしで各自の家飲みを中継し合う)が流行っているようだ。家を出るなと言われても(言われるからさらに)酒も飲みたくなるのだろう。僕はまだしらふでしかZoomを使っていないのだが、先日僕以外がほぼ飲んでいる、という状況があった。僕も人並みに酒が好きなのでしらふで飲み会に参加することは少ない。かんぱーい、から、擬音が多い返事になり、歌い出す踊り出す。ああそうか、「人はこうやって酔っ払っていくのだな」という状況を冷静に見ていた。自宅なら寝るだけなんだし、酔いたいんじゃー、という気持ちもわかる。

 

うまい酒とは何だろうか。事あるごとに僕が差し入れで持っていく中之条町の酒「朔耶美(さくやび)」は確かにうまい。「魔王」だ「兼八」だと言わずに、隣町に渡る手前のリカーショップで買える「三岳」でも十分満足する。クラフトビールを作っているめっかった群馬の堀澤さんが近年はまっている自然派ワイン(ややこしい)はどれも個性的で悪酔いせずうまい。だけど、やはり酒については「いつ」「誰と飲むか」が大事な気もする。

 

二十歳過ぎの頃。幼稚園の頃からの近所の幼馴染の家に一升瓶を持って上がった。青臭い年頃だ。俺はこういうことをしたい/こう生きたい、と言い合いながら2人で一升を開けた。翌日まで残った。東日本大震災後に中之条町で開催した支援プロジェクトの打ち上げでは、苦労をみなで労いつつ、ある程度酔っ払った後で企画者である本木さんから「岡安出し切った顔してるなー」と言われた気がする。嬉しかった。近年では1年かけて撮影した八ッ場ダム映像の、川原湯温泉でのチーム打ち上げでも、良い酒を飲んだ。

 

つまりは、まだ、1人しっぽり美酒を味わう、というよりは、複数人で力を出し切って、そして酒を酌み交わしたいのだと思う。それって、若さ、でもあるよね。

 

Zoom飲み会の最後は、多分全国・全世界的に言う事が同じで「これが収まったら、みんなで集まって酒を飲もうね」という挨拶になる。これから僕たちは未体験の問題にぶちあたっていくことになる。力を出し切る覚悟はあるか?・・皆でいい酒を飲もうではないか。