4355声 27)タキビバ

2020年03月27日

3月末日、八ッ場ダムが完成した。カスリーン台風の被害から実に70年以上の年月をかけ完成した八ッ場ダムは、当初完成式典なども予定されていたがその一切を中止。ダムを見下ろす見放題への立ち入り禁止になっており、異常なまでに静かな完成当日を迎えていた。

 

完成日、昨年1年このダムを撮影したメンバー数人で小さな食事会をした。その中には北軽井沢でスイートグラスというキャンプ場を経営する福島誠さんもおり、根っからのインドアな僕は近所とも言えるその巨大キャンプ場には立ち入ったこともなかったのだが、一通り見せていただくことになった。広大な敷地にいくつものバンガローがあり、大きな食堂も完備。その時すでにコロナの影響は大きくなっていたが、マスクをつけた職人さんたちはさらに大きな家のようなコテージを建設していた。キャンプ場というよりもこれは「村」だと思った。

 

僕は基本1人でやる仕事が多いし、口はある程度達者でも行動力が弱い。だから、行動に移す人、さらに人を巻き込んで事業を成す人は尊敬する以外にない。福島さんもまた、従業員から見れば「それもやるんですか!」と大変な人なのだとは思うが、「豊かな自然の中にこそ、未来を創造するヒラメキがある」という理念を燃やし続け、新しい「村」を創り続けている人でありので、尊敬する以外にない。

 

キャンプに集まれば、焚き火をする人もいるだろう。スイートグラスでは、この焚き火の新しいかたちとして、「TAKIVIVA」と銘打った、火を囲み本音で語り合える場作りも始めている。家族単位でなくてもよく、職場の仲間たちで、友人同士で、ゆらぎ燃える炎を見ながら語り合おうという「時間」をサービスとして提供する試みだ。もちろん、今誰彼かまわず集まることはできないが、その「人と人との間に炎を置く」という行為は、懐古主義ではなくて、未来を感じる行為であるように思った。
(以下の動画は僕は関わっておらず、飯塚花笑監督によるもの)

 

・・あ、そういえば、僕が企画・制作の一部を担当し、飯塚監督と飯塚組によって作られた「中之条ぽわぽわ in 沢渡温泉」という動画が4/1から公開されています。見てね!