4435声 軒先の煙

2020年06月15日

先ほど、都内の路地を歩いていると、夜の闇の向こうから、香ばしい匂いが漂って来た。匂いにつられて角を曲がってみると、灯の下、脚の長いコンロで、おやじが焼き鳥を焼いていた。傍らのテーブルにはグラス片手に、煙を見つめつつ、話しつつ、立っている人たちがいる。この店は、以前カレー屋だったはずと、店内を覗いてみると、なるほどカレーを食べている人がいる。カレー屋の店主が軒先にて焼き鳥と立ち呑み、この店の雰囲気に合わせ当世風にいうなら、「スタンディングバー」を始めたのであろう。新型コロナウイルスの影響下で、飲食業の生態系も変化しているのだ。