4544声 秋の空

2020年09月28日

鳥取に行ってきた。帰りの飛行機の中。鳥取の空は雲が多い。日置桜と扶桑鶴の合同呑み切り会があった。呑み切り会は、酒造りのシーズンに入る直前に、前の1年に作った酒を一同に集めて飲む会である。日置桜も扶桑鶴もしっかり熟成させてから出荷する蔵のため、まだ商品化されていないものが多い。最低1年は蔵で寝かせてから商品化、出荷していると思う。11月の食中酒の会が扶桑鶴の回だから、飲んでおきたかった。日置桜は燗酒、冷酒共にザブンのレギュラー酒なので、今の味を改めて確認したかった。1つの蔵だけではわかりにくいことが、2つ同時だとよくわかる。扶桑鶴が日置桜に比べて重いこと。扶桑鶴は料理がすぐに浮かぶが日置桜はなかなか浮かばないこと。酸には硬質な酸と軟質な酸とあること。生もとは軟質な酸であること。生もとは重層的かつ重奏的であること。日置桜は旨みが強いこと。扶桑鶴は日置桜に比べると、甘みが強いこと。わかったつもりでいてもこちらの理解の深さが増すと、新たな発見がある。わかったつもりは、今を支えるために必要かもしれないけれど、それにより新たな発見にアンテナを持てなくなると、新たな他者が生まれなくなる。わかったという実感と、もっとわかりたいという願望と、両方抱えてないといけない。頭は高く腰は低く、というのは、そういうことなのだと思う。さて、着陸態勢に入った。今の飛行機は、機外カメラで前方の景色を、目の前の液晶で見ることができるようになっている。そろそろ着陸。イヤホンから小田和正の、「東京の空」が流れてる。秋晴れ。